鍼・灸・あん摩マッサージ指圧・東洋医学

鍼とは

鍼とは、金属製で生体に刺入もしくは接触して、刺激を与えるものです。世界の伝統医療の中で最も長い歴史を持ち、いまや世界規模に広がる東洋医学の代表です。

本校の特徴

日本で使われる鍼は中国のものに比べると細くてやさしい刺激のものが主流です。その繊細な鍼であらゆる症状に対応するには、繊細な手技を施し、生体反応を制御しなくてはなりません。そのために本校では、硬く詰めた米糠(ぬか枕)への刺鍼練習や水に浮かんだ果物や野菜に鍼を刺入する「浮き物通し」、薄い桐板に鍼を通す「硬物通し」等、古くからある練習法を行っています。

※該当学科 鍼灸科/鍼灸あん摩マッサージ指圧科

灸とは

乾燥させてつきつぶしたヨモギの葉(モグサ)を穴(ツボ)の上などで燃やす灸は、鍼よりも先に治療法が体系化されたと考えられています。

本校の特徴

本校ではまず、指でひねって使用するモグサを使って米粒大、半米粒大、糸状大(米粒大の1/8)の円すい形の艾炷(ガイシュ)(モグサをひねったもの)をつくる練習を行います。米粒大で1分間に60個を標準とし、半分に割った竹の上で手際よく艾炷に点火できるように練習します。

※該当学科 鍼灸科/鍼灸あん摩マッサージ指圧科

あん摩・マッサージ・指圧とは

中国を起源としたあん摩、ヨーロッパに始まったマッサージ、あん摩や導引・柔道活法から発した指圧は、全て手指を使い治療を施すものです。

本校の特徴

生きた人の体に触れることは鍼灸を勉強する上で大変重要であり、欠かすことができません。本校ではこのような理由から手技にも力を入れており、中でも鍼灸と関わりの深い「すじ揉み」と呼ばれるあん摩を重視しています。生きた人の体を通して穴や経脈を学ぶのは当然のことですが、そのために漫然と体に触れるのではなく、「すじ揉み」という系統だった方法を学ぶ必要があります。

※該当学科 鍼灸あん摩マッサージ指圧科

東洋医学とは

東洋の伝統医学を大きく分類すると、ユナニ医学(イスラム医学)、アーユルヴェーダ(インド)、そして中国に起源を持ち東アジアに広まった中国医学があります。
今から2000年ほど前に中国医学の基礎が定まりました。その当時に書かれた医学書が古典と称され、鍼灸では『素問』『霊枢』『難経』、湯液(漢方薬を使う医術)では『傷寒論』『金匱要略』などで、今でも熱心に読み継がれています。

当校創立者の柳谷素霊は、これらの古典を読むことを重要とし、「古典に還れ」と唱導しました。当校では師の素志を受け継ぎ、古典読解のための授業を設け課外でも積極的に勉強会が催されています。

東洋医学の診断法とは

鍼灸医学の診察法
中国医学には伝統的に「四診」と称する診察法があります。

望診(神技) 望とは、見るという意味。顔色、目の光、姿勢、動作などを観察し、神気(生命エネルギー)の有無を伺い、病人の予後を判定します。例えば、顔色の病的な白さは、五臓においては、肺とのかかわりとして捉えます。

聞診(聖技) 聞とは、耳で聞くという意味と、においをかぐという意味があります。病人の発する声や、音を聞いたり、体臭などの情報を集めます。例えば、焦げくさい臭いは、五臓においては、心とのかかわりとして捉えます。

問診(工技) 問とは、問いかけと答えによる診察法。伝統的な古典鍼灸においては、病気を、心身全体のバランスの乱れによるものと考えます。最もつらい症状についてのみならず、食べ物の好みや、睡眠の状態、ストレスの有無や、職業とのかかわりまで、幅広い情報を集めます。例えば、酸っぱい味の好みは、五臓においては、肝とのかかわりとして捉えます。

切診(巧技) 切とは、おさえるという意味。脈診や腹診と呼ばれる診察法にあたります。とりわけ脈診は、伝統的な古典鍼灸において最も重要とされている診察法で、手首の寸口部といわれる部位で脈を触れることにより、様々な情報を集めます。また、経絡の反応を手指でとらえる「切診」という診察法もこれに含まれます。「腹診」と「切経」はわが国のみで行われている伝統的な診察法です。

本校では、これらの診察法の中で「脈診」「腹診」「切診」を重視しています。熟練と洗練された感覚を必要とする大変難しい診察法ですので、日本でこれらを教える学校は限られています。本校では臨床のベテランの講師陣が、理論から実践までを丁寧に指導いたします。鍼灸科では、特に「切経」に力をいれています。これらの診察法に習熟することが、ハイレベルの鍼灸師になる近道でもあります。

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